花粉症、目の症状が特にひどい時におすすめするべき目薬は?
3月も末になり、全国のドラッグストアでも鼻水や目の痒みを訴えて来店する顧客が増えてきた事と思う。
つい先日も私が固定レジの時、片目を真っ赤にした鼻声の若い男性が自動ドアを抜けてくるなり、
花粉症の薬って売ってますか?
と訊いてきた事がある。
「花粉症の薬売ってますか?」って、そりゃドラッグストアでそれ売ってなかったらどうにもならないよ😅と思ったが、どちらにしても私はレジなので定番売り場へは行かれない。
レジの脇のプロモにも展開されている為、ひとまずはそちらのキャンペーン品をご案内。
店内中央の花粉症プロモと目薬の定番売り場の場所を口頭で説明すると、そちらへ歩いて行かれたのだが、ヒアリングしたいことが山ほどあるのに、と私は離れられないレジの中から気が気ではなかった。
アレジオンの割引になった奴をレジに持ってこられたが、目に症状が酷く心配だった為、目薬の併用が選択肢としてお勧めである事を伝え、売り場が遠いので少し悔しいが別の登録販売者を呼んで対応してもらった。
そこで結局買われたのがロートアルガード。
あとで、なんで数あるアレルギー目薬の中からこれになったのだろう?と疑問に思い、改めて成分を確認した。
ロートアルガードクリアブロック
クロモグリク酸ナトリウム1%
プラノプロフェン0.05%
クロルフェニラミン0.03%
コンドロインチン硫酸ナトリウム0.5%
添加物:ホウ酸/ホウ砂/l-メントール/dl-カンフルetc.
ロートアルガード
クロルフェニラミン0.03%
グリチルリチン酸0.25%
テトラヒドロゾリン0.01%
ビタミンB6 0.1%
添加物:メントール/dlカンフル
まず良く効くイメージのあるクリアブロックの方だが、抗ヒスタミン成分が2種類入っている。
クロモグリク酸ナトリウムと抗炎症成分であるプラノプロフェンが基準内最大量の成分構成となっていて、なるほどだから値段も高額なわけだ。
一方で比較的安価なロートアルガードの方は、抗ヒスタミン成分がクロルフェニラミンマレイン酸塩のみ。
代わりにこちらは充血除去剤を配合している。
前述の男性客は充血が酷かったからこれになったのだな、とようやく納得した。いちいち成分を見てみないと分からないものである。
私はてっきりクリアブロックの方にもテトラヒドロゾリンが入っている事と思っていたから、基準内最大のこちらを勧めるだろうとばかり思っていたのだ。
まだまだ勉強が足りないと反省し、アレルギー目薬について色々比較してみた次第である。
〈強いものを求めるなら〉
痒みが強いなら、やはり上でも成分構成を紹介したロートアルガードクリアブロックがお勧めだろうか。
クリアブロックは、アルガードシリーズの中でも最大の効き目を誇る製品と言える。
緑のロートアルガードクリアマイルドの方はどうかと言うと、しみないだけで成分濃度は同じかと思いきや、クロルフェニラミンとコンドロイチンの濃度が少し低くなっている。
メントールやカンフルが入っていないので名前の通りマイルドでしみにくい。他の基本構成はクリアブロックと同じである。
より効果が強く清涼感のあるものが欲しい人はクリアブロック、しみないものが良いという人はマイルドの方をお勧めする方向でいいだろう。
〈子供には使えるの?〉
添付文書を確認してみたが、花粉症目薬は7歳から使えるというものが多いようだ。
それより小さい子供には、ロートアルガードこどもクリアという小児向けの製品もある。
ロートアルガードこどもクリア
グリチルリチン酸ニカリウム 0.1%
クロルフェニラミン 0.03%
ビタミンB6 0.05%
ロートアルガードやロートアルガードSも、クリアブロックと違って特に年齢制限の記載はない。
また、ロートアルガードとロートアルガードSの成分についてだが、違いが全く分からなかった😅
ベンザルコニウムやパラベンなどの防腐剤は無添加だが、メントールやカンフルは入っており、テトラヒドロゾリンが使われている点も同じである。
こどもクリアの方も防腐剤無し、メントールカンフル有りとなっているが、こちらはテトラヒドロゾリンが無配合のため、充血がひどくなければ小児にはこどもクリアが第一推奨となるだろう。
〈コンタクトをしていても使えるものは?〉
花粉症目薬の殆どが、ハードコンタクトならOKとしているが、防腐剤無添加であってもソフトコンタクトレンズ装用中は使用しないで下さいとの記載があるものが多い。
ソフトコンタクトレンズをしたまま使いたいなら、選択肢はロートアルガードコンタクトになるだろう。
ロートアルガードコンタクト
クロルフェニラミン 0.03%
コンドロインチン硫酸エステルナトリウム 0.5%
ビタミンB6 0.01%
メントールカンフル有
カラーコンタクトには使えないのでその点は注意。
ちなみに名前にコンタクトがつくからと言ってコンタクトをしている人専用というわけではなく、
防腐剤や血管収縮剤のテトラヒドロゾリンなど余計な成分のない目薬なので、充血の症状がないなら、総じて目に優しいものを選びたい人全般に推奨できる製品となっている。
〈妊婦・授乳婦でも安心して使えるもの〉
さて目薬は妊娠中、授乳中にも気にせず使っていいのかどうか、よく分からないという人も多いはず。
目薬だから関係ないでしょ
と思っている人もいるかもしれないが、実は目薬にも妊娠中授乳中に留意すべき成分があって、それが抗炎症成分のプラノプロフェン。
ラットの実験では分娩遅延が認められているとかで、安全性が確立していないと言う。
最も、医薬品としての添付文書でも、してはいけない禁忌というわけではなく、そんなに心配する事はないが、可能ならばそのような成分は避けたいところ。
前述の成分構成を見て貰うと分かる通り、ロートアルガードクリアブロックやクリアマイルドにはこの成分が入っている。
対して、ロートアルガード、ロートアルガードS、ロートアルガードこどもクリアの方はプラノプロフェン無配合なので、妊婦授乳婦の方は、これらの中から選ぶと良いだろう。