原因から学ぶー胸やけの仕組みと対策ー
胸やけ
よく聞くような気もするが、ドラッグストアの店頭で、お客様がその言葉を使ってくるとは限らない。
「食べたものが胸の途中で停滞しているような…」
「喉に酸っぱいものが込み上げてくるような…」
そんな事を言われたら胸やけかな、と思ってご案内していいだろう。
〈胸やけの仕組み〉
そんな、酸っぱいものが込み上げるような感覚の胸やけが生じる原因はと言えば、
普段は閉じている食道括約筋(胃と食道のつなぎ目)が緩んで、腹圧が上昇し、胃酸を含んだ胃内容物が逆流する事による。
食道が酸にさらされる事で、
胸やけ(=胃食道逆流症)
となる。
食べてすぐ横になる習慣があったり、前屈みになって仕事をしている人がなりやすい。
特にそういう習慣がなくても、加齢によって食道括約筋が緩みやすくなって生じる事もある。
ともかくも胃酸が原因になるわけなので、有効となるのは、胃酸を中和してくれる「制酸成分」
成分名を全て覚えられなくても、
カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウムなどとついている成分は大体そうだと思って間違いない。
ただ、合成ヒドロタルサイトなど、上記が名前についてなくてもアルミニウムを含む制酸成分だったりするため、そこだけは注意が必要だ。
具体的には以下のような成分がある。
ケイ酸アルミン酸マグネシウム
合成ヒドロタルサイト
水酸化マグネシウム
ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート
水酸化アルミニウムゲル
炭酸水素ナトリウム(重曹)
炭酸マグネシウム
沈降炭酸カルシウム
ボレイ
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
また、制酸剤を含む胃腸薬の詳しい留意事項については、以下の記事も参考になるかもしれない。
https://touhan-diary.hatenablog.com/entry/2021/02/02/194928
製品例としては、
サクロンS
パンシロンAZ
などが候補となる。
もちろん、キャベジンやスクラートなどの総合胃腸薬にも制酸成分は入っている為、どちらを使っても構わない。
パンシロンAZ
アズレンスルホン酸ナトリウム6
Lグルタミン900
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム600
ロートエキス30
炭酸水素ナトリウム1800
重質炭酸マグネシウム180
沈降炭酸カルシウム540
サクロンS
銅クロロフィリンカリウム90
水酸化マグネシウム1050
無水リン酸水素カルシウム1650
ロートエキス30
MMSC150
炭酸水素ナトリウム700
炭酸マグネシウム250
沈降炭酸カルシウム1200
ロートエキス90
ソヨウ30
センブリ30
ビオジアスターゼ24
リパーゼ15
そもそも制酸剤の種類の量がそれぞれ違うので、どれが一番良く効くのかというのも難しいところ。
◆胃もたれや胃痛などもある場合
→キャベジンやスクラートなど総合胃腸薬
◆胸やけだけで、他に目立った症状が見られない時
→サクロンS、パンシロンAZなど制酸成分中心のもの
という風にあとは値段で選ぶと良いだろう。
セルベールの効能にも胸やけの記載はあるが、テプレノンは胃粘膜を増やして胃を守るもので、酸を中和する効果はない。
特に胸やけが顕著な時は強い効果は望めないと考えられる。
セルベールがお勧めなのはどんな人か、また胃痛についてはこちらの記事を参照。